遅れてきた思春期 [りじっちょ雑記]
今年もあと30分足らずで暮れようとしています。いろんなことが脳裏をよぎる時間です。私の息子は25歳。無痛無汗症という先天性の病気があります。今までずっと穏やかでどちらかというとシャイな性格の子だと思っていましたが、この秋は違いました。イライラすることが多く、ヘルパーの手をひっかいたり、腕を強く掴んで痣を作ったり、自分でも外に飛び出して擦り傷だらけになったり、こぶしで硝子を割って筋肉破壊値の高数値を出したりしました。いわゆる自傷行為と他害と呼ばれる問題行動です。訪問看護のミーティングでも、看護師さんから「看るのが怖くなった。」という意見も出され、四六時中私は息子から離れられなくなりました。
体調を崩して隣町の世田谷にある成育医療センターの救急外来を受診しても、点滴したままベッドの柵を乗り越え、とうとう防ぐ私に襲いかかってきました。どんなに辛いんだろうとも思うのですが、それはまるで体の中に突然悪魔が入りこんだように見えました。
どうして良いかわからずに困っていると無痛無汗症の会の仲間に伝えたところ、会が発行している会報2号の記事がファックスされてきました。そこには、家で暴れまくり家族では対応できなくなっため、施設入所を決意した先輩の話が載っていました。
ところが無痛無汗症の会には「支える専門家の会」というのがあり、専門家の一人の医師が「思春期特有のトラブルだから、しっかり今の病院で診てもらいましょう。」と力づけてくれました。主治医の先生も善処され、普段の薬も不安感を和らげるように配慮され、特にリスバダールという安定剤を夜0,05g飲むことにより、次第に元の息子の穏やかさが戻り、再び他人に託せられるようになってきました。
その後これはうちの息子に限らずに、知的障害のある大きな子にはままあることだと気づきました。健常な子でも思春期は真っ暗なトンネルの中のように不安です。不安感の強いこの子たちには尚更なのだと思います。新しい年には、薬に頼るだけでなく、張りのある生活、ストレスを軽減する生活、楽しい放課後を考えようと、スタッフのみんなで策を練りました。
こう書いているうちに新しい年を迎えてしまいましたが、本年は昨年の苦い経験を少しでも生かしていきたいと思います。
なお、看護と介護のステーション(株)福祉ステーション「あい」では、子どもを看られる看護師さんとヘルパーさんを募集しています。詳しくは、下記ホームページをご覧ください。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/aikomae/
皆様のご応募をお待ちしています。
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